働いてマス、クリスマス

ポインセチアとサンタクロース

バーテンダーという職業について十数年くらい経ちます。その間、当然といえば当然ですが、プライベートでのクリスマスというものを体験した事がありません。

例えばレストランにおいて、クリスマスシーズンならではの特別メニューを食したことがないどころか、今しがた食べてきたというクリスマスメニューを見せられては羨ましいため息をつく。

あちらでは「クリスマスにぴったりのものを」とのご注文に、それではと気合いを入れて作ったカクテルそっちのけで、プレゼントの交換が始まる。

かと思えば、一方こちらの席では、クリスマス・イヴだというのに男性同士のお客様と私とで、あろう事かインフルエンザ対策の話題で盛り上がる。ムードも色気もゼロ。

はたまた、恋人はサンタクロース♪…なんてこともあったりなかったり……。ないです。

でも、いいんです。カウンターの内側から見る12月の風景は、みんな楽しそうで、私は大好きです。張り切ってシェイカー振っちゃいます。

オレンジ便り 2005年 12月配信分


追記:数年前のメールマガジンからの文章です。07年のクリスマス直前、ウェブページにUPしたものですが、これからのち、例えば真夏にこのコラムを読むと、かなりピント外れの感がするので、掲載するか少し悩みました。ですが、そもそもお客様にお送りしているメール自体が時事的な内容も多く、それに年間を通じても大掛かりなイベントシーズンの風物詩の一端として、切り取ってみた次第です。

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