【 カルヴァニック レシピ 】
- カルヴァドス
- 30 〜 45 ml
- オレンジビター
- 2 dash
- トニックウォーター
- 適量
- 氷を入れたタンブラーに上記を注いで軽くステアする。
仕上げに「レモンピール」と「オレンジピール」を振りかけてグラスの中へ。
カルヴァニックというネーミングの由来は、そのままズバリ「カルヴァドス&トニック」です。テキーラ&トニックをちぢめて「テコニック」と称することが如くです。
カルヴァドスとは、フランス・ノルマンディ地方でつくられるリンゴのブランデーのことです。個人的にも思い入れのあるお酒で、西麻布バーオレンジでのラインナップも必然的に、多くのカルヴァドスがバックバーに並びます。そうなると、お客様の目にとまる機会も増え、興味を持たれ、また、好きになってくださるかた、そしてカルヴァドスを目当てに足を運んでくださるお客様も。
もちろん、決まりはありませんが、そのままストレートで嗜まれるかたが多数で、統計をとった訳ではないですが、寒さが身にしみてくる秋から冬にかけて、とくにご注文があるように感じます。確かにイメージとして、真夏の最初の一杯目にブランデーやウィスキーのストレートというのは、あまり気分ではないですね。そこで、この「カルヴァニック」の誕生です。
夏の暑い最中、バーにたどり着いて、まず最初の一杯と言えば、ビールやジン&トニックなどが定番でしょうか。カルヴァドス好きの私としては、真夏でも楽しめる、カルヴァドスをベースにしたカクテルの提案は自然なことでした。ただ、通常のジン&トニックのジンを、カルヴァドスに置き換えるだけでは芸がない、いえ、最初はそうしたのですが、少しアレンジしました。
西麻布バーオレンジでのジン&トニックは、ライムをぎゅっと搾り、アロマチックビターも加えます。ジンやウォッカ、また無色透明のオー・ド・ヴィーなどは、ライムやレモンと特に相性は良いですが、琥珀色をしたお酒とは「う〜ん…」という感じでした(悪くはないのですが)。
そこで、ライムを搾らずに、ただし柑橘の香りは欲しいので、仕上げのレモンピールとオレンジピールと相成りました。おかげで、カルヴァドスの熟成感を適度に保ち、フルーティさに加え、トニックの甘さとほろ苦さ、そして柑橘系の爽快な香りとがバランスよく同居したと思います。
バーでは常備されているであろう、オレンジビターですが、ご家庭ではこれだけのために揃えるのも馬鹿らしいかも知れません。なくてもそれなりに仕上がりますが。でも、小瓶でも販売してますし、他のカクテルやお菓子作り等、いろいろ使えます。レシピではごく少量ですが、加えると加えないとでは、味や印象の、深みと厚みが違ってきます。
今では、夏はもちろん、年間を通じ、最初の一杯や締めくくりの一杯にと、シチュエーションを問わず、西麻布バーオレンジでの定番のひとつに加わりました。
「カルヴァニック」制作 2005年 7月